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zoom RSS ここへは前にも来たような…

<<   作成日時 : 2005/08/14 00:09   >>

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 自慢ではないが、コンサートに行くと、眠くなる。一生懸命聞こうという意志がないわけではない。でも、音楽が始まり、しばらくはその軌跡をいっしょに辿っているのだけれど、気がつくと、寝ている。音楽は耳の中に響いているし、脳のどこかは覚醒していて、音の行方を追いかけているのに、である。

 今に始まったことではない。自分の意志でレコードを買うようになった小学生の頃(5年生かな)からそうだった。大好きな尾崎紀世彦のLPを聞いていて、ある曲になると、そこから丸々2曲意識がない、ということがしばしば起きた。最初のボーイフレンドは、せっかくコンサートに連れて行っても、ものの10分もたたないうちに寝息を立て始めるのに呆れて、とうとう連れて行ってくれなくなった。

 大学で出会った現亭主も、せっせとコンサートに連れて行ってくれたが、十中八九意識を失う私に愛想をつかすことなく、現在に至っている。辛抱強い人だ…。ギリシャ語やらラテン語やらと予習にやたらと時間のかかる勉強をしていたにも拘わらず、あの頃は年間80〜90公演聞いていた。それ以上行けなかったのは、経済的理由。学生券が三桁で聞けた都響や定期会員になると小澤さんが連れてくるお高いソリストのコンチェルトが格安で聴けた新日フィルがなかったら、こんなには行けなかっただろう。そうそう、二期会の学生券にも感謝しないと…。おかげで、ブーム前夜のマーラーやブルックナーからロマン派作曲家のたいていの交響曲と協奏曲、かなり珍しいオペラをライブで聴くことができた…寝ながら、であるが。

 仕事柄、実はコンサートに行ける機会はぐっと減ってしまった。夜までかかる仕事であること、昼間の緊張と疲労が、お気楽な翻訳業や契約社員時代の仕事とは比べものにならないこと、一時変な意地をはって、コンサートは仕事だけ、なんて思っていたこと、などなどあって、昔ほどライブには通っていない。(仕事以外で)CDを真面目に聞くという習慣もないし、ウォークマンというのも苦手なもので、とても音楽好きとは言えない、サウンドレス生活だ。
 却って国を出てしまった方が聞く機会に恵まれる。「そういえば、この前聞いたリヒャルト・シュトラウスは、カーネギーでボストン響だった」なんてことがしばしばある。
 で、そんなとき気がつくのだ。寝ていたはずなのに、この曲、すみからすみまで識ってる。次にどの楽器群が入ってきて、もうすぐこのフレーズを金管群が展開し始めるぞ、とか、あとちょっとでかなり長い小太鼓の連打が来るはずだとか、次の楽章はこんな旋律ではじまるぞ、とか。そうすると、俄然面白くなってきて、今度は見事なくらい、寝ないで最後まで聞けてしまったりする(それでも時差ぼけで沈没する場合も、ある)。

 睡眠学習効果なのかしら、と思うこともあるけれど、やや我田引水で言えば、それだけライブの演奏はインパクトがあるのだ。同じ時間と空間を共有していることでしか与えられない強烈な印象(寝ていても刻み込まれるような)があるに違いない。ベートーヴェンやブラームスのシンフォニーをライブで聴いた回数は、たぶんちゃんと記録していれば、数えられる程度にしか聞いていないと思う。でも、まさにI well know every corner of the music.なのだ。

 熱心な音楽愛好家というには、あまりに不勉強な人生。でも、熱く友情を語り合ったことはないけれど気がつくとずいぶん長いつきあいだよなあ、という感じの友人、という位置に音楽がいるのは、なかなか幸せなことだ、と最近思う。

 13日榊原栄さんの前夜式で行った鎌倉。若宮大路に立って、振り返ると、そこには子供の頃から知っている鳥居があった。45歳の今もそこにある鳥居のように、ベートーヴェンの交響曲や弦楽四重奏曲がある。音楽とのつきあいって、そういうものだ。私たちは年ふりても、変わらぬ姿でそこにある。

 ここには前にも来ましたねぇ…そんな風に誰かと語り合える音楽を、みんなに聴いていってもらいたいですよね、あばらさん。指揮棒を握る祭壇の彼に、そんなことを語りかけていた。

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