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zoom RSS トウキョウはワンダーなサイト?

<<   作成日時 : 2006/12/09 01:40   >>

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 トウキョウの隅っこで、地味に地道に音楽家による「アーティスト・イン・レジデンス」が始まりました。いつの間に10年近い付き合いとなったボロメーオ・ストリング・クァルテットのみなさんには、実はアメリカでもやっていないような、あんなこと、こんなことを次々と毎日やってもらいます。
 アウトリーチと言う言葉が輸入されて、やっぱりかれこれ10年。
 クラシック音楽と、普通に生きている人たちとの接点としてのアウトリーチ、という部分では、いつの間にか、本家を追い抜いたかな、と思うことがしばしばあります。
 それはまた、いずれ。

 今日は大学の授業と、この4月からお手伝いしている埼玉県富士見市のホールでの「きらり☆かげき団」旗揚げ公演のステージリハ。
 一日で、「音大生のキャリアマネージメント」から「市民が本気でアーツするかげき(過激でも歌劇でもいいですよ)団」まで、日本のクラシック音楽アーツ・マネージメントの最前線を走っているような気分。移動にかかった1時間半の間には、学生の卒業論文集を読み、その論考に大いに触発されました。これ、うちのサポーターさんたちに是非読んで貰いたいなあ。
 学校でこういうことをしっかり考えて、観察して、そして現場に出てくるアーツマネージャーの卵たちは、これから何年かかけて、自分が勉強してきたことを「身体化」させていくんだな、と改めて思った次第。頑張れ、現場は「勉強したことを一度ポケットにしまう」必要もあるけれど、ポケットの中の知識と一生懸命考えた経験無しに、アーツの現場はあり得ないのも確かだからね。

 演奏家が、自分のキャリアに「芸術家としての目標」を持つことは当然のこと。そこをクリアしていくことで、アーティストとして育っていく。
 私たちアーツマネージャーは、そうした「演奏家の自己実現」に、広く社会的意味があるからこそ、それを理解して、サポートしていくのも、大事な仕事のひとつです。コミュニティのことを一生懸命考えると同じくらい、アーティストのことも一生懸命考えるのですよ。
 だから、パシフィカ・クァルテットが「エリオット・カーター全曲演奏会」をトウキョウでもやりたい、と言ったとき、それを実現させることに創造的意味を大いに見いだしました。
 あのとき書いた企画書は、我ながら、相当力がこもってます。武満徹が西武劇場で続けていたミュージック・トゥデイの現場の興奮を思い出しながら、なぜ、トウキョウからこういう創造的な演奏拠点が喪われちゃったんだ、と本気で憤っていた。スタジオ200でいいんだから、こういうことをやるのはぁ。
 で、ちょうど開いたばかりのトウキョウワンダーサイト本郷に、電話をかけました。というか、その頃ワンダーサイトのHPには、企画募集のようなことも書いてあったので。
 電話に出た女性のアドバイスに従って、企画プロデューサー女史(館長夫人だったんですねぇ、今日知りましたが)宛に、「かつて最前線の音楽が紹介される場所として広く認知されていた場所が喪われて久しい。それがやっと出来たように思えます。ぜひぜひ、頑張って欲しいし、こういう企画もぜひ取り上げて欲しい…」ほとんど、ラブレターみたいな企画書を書いて送りました。
 届いたことも確かめて、待つことしばし。待てど暮らせど、だったので、先に電話に出てくださった女性にまた電話をしました。前回の親切な対応とはうってかわって、おどおどした様子で、「こんなもの送ってこないで欲しい」とプロデューサー女史に言われたとのこと。
 あらら…。

 結局いろんなことがありましたけれど、アメリカ大使館の助成までいただいて、この企画は実現しました。結果よければすべてよし。それがこの世界です。
 でもねぇ。
 このところあちこちで取りざたされているトウキョウワンダーサイトを巡る醜聞は、あの時の対応の訳を説明してくれているようで、ああ、やっぱり、と思うと同時に、残念でなりません。

 アーツの育つところとしての場所は必要なんです。特に、決して必要十分な多数の支持を得られない創造の最前線には。武満さんにとっての西武劇場はそうだったと思うし。トウキョウがついにそういう場を持ったと思っただけに、この運用面でのスキャンダルは痛い。これじゃ、場所の意味が喪われてしまいそう。お役人さんたちは、この場所が嫌いになっちゃうでしょう。そうすると、この場所は継子になってしまう。愛情を持って、この場所の意味の再定義を行い、
ちゃんと運用しないと。お役人さんたちにそれをしなさい、とはいいません。でも、この場所が継子にならないような運用の仕組みを作って、知恵ある人たちに(知事の知り合いの建築やさんじゃなくて)経営を任せるようにして欲しいです。こうした施設は万人が使えるような公共施設じゃないですから、施設の用途に合った経営が必要なはず。間違っても、合宿のできる宿泊施設付き練習所にはしないでね。

 アーティストもアーツマネージャーも人材養成の仕組みは出来ても、その先、夢と努力の目標が見つからない。「トウキョウワンダーサイトの1年レジデンシーをめざして、頑張ります!」なんて語られる場所になって欲しい。

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焦るイシハラ都知事を使い尽くそう!
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やくぺん先生うわの空
2007/02/05 13:40

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